都築です。
早速ですが前号の続きを。
「プロの買い方」に深く関係している内容です。
「住宅ローン申請のために、用意周到に建築のプランと見積もりを用意しておけばいいのか?」ということでした。
しかし、土地探しに苦労したなら方ならわかるはずです。
「土地が決まる前に、家の設計をしても意味がない」ということを。
地形、方位、周辺環境も決まらないものの設計など意味がなく、設計した家がピッタリに合う土地を探すことなど至難の業であるということを。
つまり、こういうことです。
住宅ローンの仕組みを考えた場合、土地を探してから早急にプランを立てなければなりません。
住宅ローンの申し込みに図面と見積もり書が必要となるからです。
その期間は、実質、数日~2週間程度であると考えてください。
特に土地の契約が「融資条件付き」となっていても、その契約には決済までの期限が設定されますので、迅速な段取りが不可欠になります。
ローン申し込みから、決定までの時間もありますし、金融機関もはじめから一つの銀行で決まるとは限りません(土地の条件によっては融資評価できない金融機関もあります)ので、時間的な制約があります。
そんな中で、プランと予算を練るのですから、「とりあえず」というプランに成らざるを得ないこととなります。
でも、もう一度思い出してください。
「住宅ローンは後で増額できない」ということを。
「とりあえず」なのですが、「とりあえず」という訳にはいかないのです。

そして、実は、もう一つ。
たとえ、増額をしないようにプランをまとめたとしても、「著しい変更は認められない」という条件があるのです。
著しい変更とはどのようなものか?それは、例えば、キッチンのグレードを上げた費用の相殺で床面積が少なくなったとか、総床面積の変更はないが、3階建てが2階建てに変更されたとかというものです。
金融機関側の考え方でいえば、建物にも評価基準があるのです。
その一つが、仕様を上げて豪華にしても、キッチンはキッチンでしかないとか、木造2階建てより木造3階建ての方がお金が余計にかかるとかという考え方です。
実際に予算は変わらずとも、床面積が削れた分は、評価が落ちるのでお金を返せということになります。
このように、土地を探して家を建てるという行為には、住宅ローンの性質が深く関わってきます。
これを攻略するためにも、「土地探しから…」という方は、土地探しの前に信頼できる「建築業者」を探し、自分が理想とする家づくりの間取り、予算、性能などを事前に相談することをお薦めします。
そうすれば、「とりあえず」ではあっても、その土地に合った著しく変更のないプラン、見積もりを提出することができるのです。
「プロの買い方」は、このような事前の段取りがあって成立するのです。