こんにちは。都築です。
「土地探しからの注文住宅」というカテゴリーで、失敗しないためのコツを連載形式でお伝えしています。
第二回目は、「プロの買い方」についてです。いきなりの直球ど真ん中のお話です。
まずは、前回のおさらいから。
前回の第一回目では、2つの住宅業界社員たちの不条理な住宅取得についてお伝えしました。
A:「注文住宅専門のフランチャイズ本部の社員達は、土地探しから注文住宅を建てることができずに、建売分譲住宅やマンションを購入していた」
B:「建売分譲住宅を専門としていた不動産デベロッパーの社員たちは、誰もが建売分譲住宅を買わずに、土地探しから注文住宅を建てていた」
つまり、
Aは「欲しいものを手に入れられなかった人達」
Bは「欲しいものを手に入れられた人達」
ということになります。
(ここでは、建築の性能や仕様等の話は別として)
土地探しから理想の家づくり(注文住宅)を建てたい人にとっては、当然ですがBの「やり方」を知りたいですよね。
ですので、Bのやり方を「プロの買い方」としてお話いたします。

なぜ、不動産デベロッパー社員達は「土地探しからの注文住宅」を建てられるのか?
それは・・・。次のような「準備と段取り」ができているからなのです。
自分が求めている土地情報が入ると、不動産業者は当日直ぐに現地の確認をします。そして、興味を持ったら、不明な点を売主側に問い合わせます。尚且つ、役所に出向いて自分で調べます。
そして、直ぐに馴染みの工務店に連絡して現地確認をしてもらい、造成・建築費用の概算見積もりを要求します。
これに要する時間は、早ければ、わずか1日~2日のこと。
この時点で、すでに、買うべきか買わざるべきかを決める根拠が明確になっています。つまり、もうすでにその土地を手に入れる為の戦略に移行しているということです。
そして、見積もり概算をもとに、土地評価と合わせて、出入りの金融機関の担当者に事前審査を打診します。(借り入れの是非は、もともと職業柄ある程度はわかっていますが・・・)
借り入れ可能な総額が直ぐにわかります。
次に、売主側に連絡をとり、買い付け証明書をファクスまたはメールします。
先方が条件を受理すれば、契約書を作成し、契約に移行します。
この間に、借り入れ予想額を想定した建築図面と見積もり書を工務店に依頼し、直ぐに住宅ローンの本申請を行います。
工務店と本格的なプランの打合せを始めながら、このような段取りを極めて短い期間に進めていき、土地の決済から1~2ヶ月以内に基礎着工ができるようにします。
「プロの買い物の方法」とはこの段取りを手際よく出来ることを前提とした「買い方」なのです。このように「土地探しから」の場合はスピードこそが全てなのです。
そして、このスピードを支えているのが、「工務店という建築業者」と「住宅ローン知識」という強い味方なのです。
ですから、たとえ不動産業者であったとしても、土地の情報がいち早く入手できたとしても、自らが信頼できる建築のプロが身近にいない限り、このような段取りを組むことはできないのです。
このように不動産業者は、土地を探してから「工務店に相見積もり」をさせるようなことはしません。逆にそんなことをするぐらいなら、最初から「住宅ローンを絡めた、土地探しからの注文住宅なんて無理」ということを知っています。
だからこそ、以前から、特定の建設業者に発注するということを決めていて「この土地にどれくらいの建物がいくらで建つのか」ということを即答できる準備をしているのです。
ただ、残念ながら、不動産業者の出入りの建築業者は下請け専門なので、最新の技術には期待できませんし、不動産業者も建築のことはよくわからないので「間取りや材料や設備を選べただけで、本当に良い家が建ったかどうか?」はわかりませんが・・・。