こんにちは!
今年度中に省エネ住宅の引き渡し予定がある都築です。
先日のニュース番組で、コロナウイルス対策のための換気について特集していました。
そこで、今回はその換気と、換気に密接に関係する気密について書こうと思います。

温熱環境をよくするためには、気密性が高いことが必須条件です。
気密性が低い=隙間がたくさんあるということです。
冬に気密性の低い室内でいくら暖房を使って室内を温めても、隙間から外の冷たい空気が
室内に入ってしまうため、なかなか室温は上がらないし、夏はエアコンで冷やした空気が
隙間から出て行ってしまうので、効率が良くありません。
そうすると電気代もかかりますし、省エネ住宅とは程遠いですね。
また、熱中症やヒートショックになるリスクも上がってしまうという危険性もあります。
逆に気密性が高い家は、空気の入れ替えが自然にされないため、シックハウスの原因で
ある揮発したVOCが浮遊し続けます。その中に人がいれば二酸化炭素濃度も上がります。
また、ウイルスも浮遊してしまうため、室内環境が悪くなってしまいます。
そこで必要になってくるのが換気です。
建築基準法では、「1時間で0.5回」空気の入れ替えができる機械換気設備の設置が
義務付けられています。
換気設備には以下の3種類の方法があります。
・第一種換気 給気と排気の両方を機械でする方法
・第二種換気 給気だけを機械でして、排気は排気口から自然にする方法
・第三種換気 排気のみ機械で、給気は給気口から自然にする方法

ただ、普通に換気して空気を入れ替えれば、当然室温も上がったり下がったりします。
せっかく気密性を高くして温熱環境を良くしても、換気して室温が変わってしまったら、
気密性を高くした意味がありません。
換気をしながら室温を保つには、熱交換システムというものを使います。
この中の第一種換気だけが『熱交換システム』が使えます。
ただ、第一種換気の設備はほかの換気方法に比べて高額になるので、お客様が
希望されなければ僕はコストが抑えられる第三種換気を提案しています。
この第三種換気で重要になってくるのが気密性です。
もし気密性の低い家で第三種換気をした場合、隙間から外気が入ってしまうため
空気の流れがショートカットされて、換気がされない場所が出てきてしまいます。
家の気密性が高ければ、計画通りの換気ができます。
空気を取り入れるべきところから取り入れ、出すべきところから出す計画的な換気が可能になり、
室内の空気を新鮮に保つことができます。
このように気密と換気は、温熱環境だけを見ると相反するように感じますが、実は両立していなければいけません。
家を建てるとき、あまり気にされないことですが、住んでから必ず体感することです。
毎日の暮らしの中で、暑さや寒さのストレスを感じることなく気持ちよく過ごすための
家づくりのひとつとして覚えておいてほしいなと思います。